概要
同作のテレビシリーズのチーフディレクターを押井守からバトンタッチした、
やまざきかずおによる『うる星やつら』の劇場アニメ初監督作品。
この作品は『うる星やつらオンリー・ユー』が「あたるを追うラム」だったことから
逆に「ラムを追うあたる」をコンセプトに作られた。
作中に登場するタヌキのキャラクター「O島」(原作やテレビシリーズにも登場)は
高橋留美子の担当編集から名前を取っている。
また、主題歌はオープニング、
エンディングテーマ共に英詞、
オープニングテーマはハードロック調の曲で
(ゴダイゴのタケカワユキヒデ、ミッキー吉野が作曲で参加)、
当時としては先駆的な試みであった。
あらすじ
学校の図書室で、
ラムはしのぶから「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」という
言い伝えを小耳にする。
「うちもダーリンと結ばれてるっちゃ」とはしゃぐラム。
学校の帰り道、新設の遊園地「友引メルヘンランド」が出来た事を知ったラムは
早速あたるとデートへ向かう。
遊園地には、妖怪や宇宙人とおぼしき者でごった返していた。
メガネらラム親衛隊、藤波竜之介のそっくりさんまで現れた。
一方、サクラや錯乱坊は、
遊園地に漂う妖気に気が付いていた。
その遊園地のイベントで、
あたるは手品師によってピンクのカバにされ、
手品師と助手の女は姿を消してしまい、
元の姿に戻れなくなる。
サクラは、あたるに呪いがかけられているといった。
その夜、犯人の手品師を発見したラムは、
手品師を遊園地の鏡迷路へと追い詰めるが、
亜空間に幽閉されてしまった。
そこで手品師の正体である謎の少年「ルウ」と出会う。
ルウは、あるゴミ捨て場で拾った不思議な光を放つガラス玉を拾い、
超能力を得て時空を超え、
幼年時代のラムに出会い惹かれていた。
そしてラムに一緒に暮らすことを強要して来る。
一方現実の世界では、
コタツネコが、ラムが遊園地へ男を追いかけて行ったのを見たという情報が入る。
しかし遊園地を探るが手掛かりはなし、
さらに遊園地にいた妖怪や宇宙人達はいなくなり、
サクラいわく、妖気はあたるだけになっていた。
そして、弁天やラン達がラムの失踪とあたるがカバにされた理由を突き止める。
それは過去に手違いのせいでラムの誕生会に出席出来なかった
「樫の木森のオババ」が、『銀河系よろず呪い事引き受け組合』を利用し、
逆恨みでラムに呪いをかけていたのだった。
そしてその呪いは、事情を知ったオババがすぐキャンセルしたのだという。
弁天達はその組合へ乗り込み、職員に事情を問いただした。
呪いは手違いでキャンセルされず長年放置され、
見事なまでに昇華していたのだった。
その後、ラムのいない友引町に、微妙な変化が起こり始めていた。
ラムのいない地球に用はないと、ランや弁天達は各々の故郷へ帰ってしまい、
しのぶは怪力が出せなくなり、メガネは旅に出て、ラムの思い出を消し去ろうとした。
やがて元の姿に戻ったあたるは、
ラムがいない事につけ込み喜んでガールハントを続ける。
そんなどこか虚無な生活の中、
ある日あたるはコーラの缶で手を切ってしまう。
その手にはまるで「赤い糸」の様に引く血があった。
あたるは忘れていたラムとの愛を思い出し、突然現れたラーラという女と共に、
消えたラムを探すために奮起。
ラムが幽閉された亜空間へと突入する。
うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー
概要
テレビシリーズ放映中最後に作られた『うる星やつら』の映画作品である。
レベルの高い作画や美術設定とは裏腹に、
本来のラブコメディーから完全にかけ離れ、全体的に重く暗い雰囲気となった作品。
ストーリー構成のモチーフとしては
『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』と同じく、
現実と非現実の認識論・存在論的な再検討を試みたものとなっている。
こうした問題が発生した原因として、
様々な制約から当初の準備稿への変更が重ねられ、
結果としてストーリーが分かりづらいものになったのではないかという見方もある
あらすじ
あたる達は面堂家に伝わる「鬼姫伝説」をヒントに映画を作っていた。
あたるが面堂家の庭に立つ樹齢300年の老木「太郎桜」を老朽化と撮影のために
切り倒した事により、友引町には天変地異が降り注ぐ。
太郎桜のあった場所は盛り上がり、
山となって頂上に水が入り込み、湖と化した。
ラムは体調を崩し超能力を徐々に失い、
面堂やしのぶ、メガネ達はラムの存在を忘れかけてしまう。
そして、ラムの写っていた筈の写真からまでも、ラムが消えていた。
面堂が原因を探るため、祖父から『鬼姫伝説』の詳細を改めて聞き出し、
あたるやメガネと共に太郎桜のあった山へと向かう。
頂上の湖の底深くには、白骨化した鬼姫の遺体が沈んでいた。
ある日遂にラムは角(超能力)を失い、
やがて謎の道化師について行って失踪してしまう。
ラムがたどり着いた先は、太郎桜のあったあの山であった。
夢と現実が入り混じった友引町に翻弄される面堂達は、
この世界を破壊する事によって元の世界に帰れると思い立ち、
水乃小路家を巻き込んで無為な内戦を始める。
それを尻目に、あたるはただひたすら町中を走り始めた。
ラムは太郎桜の木の上に佇む「町(友引町)の記憶」と主張する、
巨大な胎児のような者に連れて来られていた。
その者は、ラムに「思い出だけでも生きて行ける」と告げた。
内戦は終わり、夜は明けた。
走り続けたあたるは遂に倒れる。
「元の世界へ帰りたい」疲れ果てたしのぶ達が願ったその時、
凍り付いた夢は崩れて行った。
そして目の前には、ラムの姿があった。