概要
『うる星やつら』の劇場映画第2作で、
第1作『うる星やつらオンリー・ユー』の監督とテレビシリーズの
チーフ・ディレクターを務めていた押井守が制作を指揮した。
押井守の原点であり出世作となった作品である。
興行収入は前作を下回ったが、
アニメ雑誌では公開後、高く評価された。
本作は当時の「キネマ旬報」において、
読者選出ベスト・テンで第7位(邦画)と評価された。
あらすじ
周辺が荒廃している友引高校。
ラム達は、ウォーターバイクで水遊びに興じ、
面堂終太郎はレオパルド1戦車で荒廃した友引町を探索をしている。
そして諸星あたるは、池となって沈み、
荒廃した友引高校の周辺で呆けていた。
友引高校に何が起きたのか?
第一幕繰り返される学園祭の前日
学園祭(文化祭)を明日に控えた友引高校。
生徒達が連日泊まり込みで準備を行なっており、
校内は行き交う生徒でごった返していた。
あたるやラムたちを中心とした2年4組も相変わらずの大騒ぎ状態。
そんな中、あたるの担任教師の温泉マークは生徒指導に疲れ
ノイローゼを罹い、保健医のサクラの助言を受けて学校から離れ、
自宅のアパートへ帰った。
その後、サクラが手違いに気づき、
温泉マークの自宅を訪ねると、
彼の部屋はカビやキノコが繁殖し、
酷い有り様になっていた。
温泉マークは時間の感覚がおかしくなっている事を指摘し、
さらに、彼は何だか「学園祭の前日」が毎日繰り返されているという
異様な感覚にとらわれていることを告げ、
まるで自分が浦島太郎の様だと言う。
サクラは温泉マークの話をにわかに信じられなかったが、
高校に戻った際に目にしたある光景に既視感を覚え、
温泉マークの直感に次第に共感し、
彼と共に解決の糸口を探し求めようと考える。
二人はまず、現状に何らかの変化を与える為に友引高校を一旦閉鎖し、
準備にあたっていた生徒たちを強制的に自宅へと追い返す行動に出る。
第二幕荒廃する友引町
学校を追い出されたあたる、
ラム、
面堂、
しのぶ、
メガネらは雨の中各々帰宅しようとするが、
しのぶを送った面堂の自家用車や、
交通機関の不思議なループ現象で家に帰る事が出来ず、
徒歩で帰宅したあたるとラム以外の全員が友引高校の前へと戻ってしまった。
その頃、サクラは怪異な現象について相談するため、
おじの錯乱坊を頼って空地に向かうが、
錯乱坊は忽然と姿を消しており、
学校に残って連絡を待つはずの温泉マークも電話に出ないまま消息を絶つ。
不安を感じて友引高校に戻る為にタクシーを拾ったサクラは、
いきなり運転手から浦島太郎をモチーフにした奇妙な話を聞かされる。
妖気を感じたサクラは祓い棒を振るって危機を逃れる。
結局帰宅できず、仕方なく諸星家に一晩泊まることになった一同であったが、
翌朝、再び登校してまたしても繰り返される学園祭前日のドタバタに
違和感を覚えたサクラと面堂は、
その夜、「原因は友引高校にあり」とし、
あたる達を連れて校舎の捜索を始めた。
だが一行は、不条理な作りと化した校舎に翻弄され、
すったもんだの挙げ句、
ほうほうの体で逃げ出す事になる。
面堂は町内に隠していたハリアー戦闘機を使って友引町からの脱出を試みるが、
そこで一同は、直径数キロの円卓状に切り取られた友引町が
巨大な亀の石像の背中に載せられて宇宙空間を進んでいるという
驚くべき光景を目のあたりにする。
さらに彼らが、友引町の下の空間に回り込むと、
そこでは前夜姿を消した錯乱坊と温泉マークが巨大な石像と化して、
亀の背中の上に立って下から友引町を支えていたのである。
驚くとともに、結局逃げられないことを悟った一同は、
やむを得ず町に帰還し、あたるの自宅の庭に強行着陸する。
次の日から友引町は開き直った様に荒廃し始め、
世界の終末を迎えたように廃墟と化す。
友引高校は一部校舎を残して半ば水没し、
あたる・ラムやあたるの父母・テン・面堂・しのぶ・サクラ・ラム親衛隊の
4名・藤波親子らを除く町の住人たちも全て姿を消した。
しかし、なぜか諸星家のみには光熱・水道とメディアは供給され続け、
いくら採っても商品がいつの間にか補給されて絶対に尽きないコンビニエンスストアも
残された。
今や友引町は、彼らの都合の良い様に衣食住が保障された、
幻想的なパラダイスであった。
その生活に順応したラムやあたる達は、
毎日楽しく遊んで暮らす様になる。
第三幕夢邪鬼との対決
一方、面堂とサクラは「亀」の正体を突き止めようと探索を続け、策を講じた。
そして正体を暴かれたのが、
サクラと面堂の呼び出しにあたるに化けて現れた、
人の心に住み悪夢を見せると言われる妖怪夢邪鬼であった。
この奇妙な理想郷は夢邪鬼が創り出したラムの夢だったのだ。
人類の長い歴史の中で多くの人に夢を見せてきたという彼は、
夢作りに疲れてしまい、引退しようと考えていたが、
そんな時、水族館に一人で佇むラムと出会う。
そして、そこで彼女の一点の穢れもない夢を聞く。
その完成を最後の大仕事として実現させようと決めた。
それが夢邪鬼の告白だった。
夢邪鬼の正体を見破った面堂とサクラは事態を解決出来ると思ったが、
次の瞬間に夢邪鬼によって封じ込められ、
ラムの夢から退場させられてしまう。
安堵する夢邪鬼だが、話を聞いていた本物のあたるが
夢邪鬼との駆け引きに出て、
自分の夢であるハーレムを作らせる。
しかし、そこにラムがいない事に不満をぶつけたあたるに、
ラムからいつも逃げ回っている姿しか知らない夢邪鬼は、
あたるがラムにも惚れている、という事を気付かされる。
そして、あたるの身勝手さに激怒した夢邪鬼は、
悪夢を食う伝説の動物獏を呼ぶ為のラッパをうっかり投げ出してしまう。
それを手にし、その役目を理解したあたるは、
ラッパを吹き鳴らした。
するとテンが変なオッサン(=夢邪鬼)からもらったという風変わりなブタ、
すなわち獏の封印が解け、
空に飛び立ち、巨大化する。
そして獏は巨大な口で夢を吸い込み、
呑み込み始めた。
ラムの夢の世界の崩壊が始まったのである。
終幕夢からの帰還、
あるいは夢の繰り返し
愛しいラムの為に一生懸命作った夢を壊されてしまった夢邪鬼は、
あたるを追い詰める様に次々と悪夢を見せる。
最後には、「夢だから何度でもやり直しが利く」
「自分の作り出す現実と何の違いもない楽しい夢の世界で思い通りに暮らす方が良い」
とあたるを誘惑する。
だが、あたるは現実の世界へ戻る事を望み、
白い服の少女に教えられたままに、
現実への大ジャンプを敢行するのだった。
あたるは、学園祭の準備で泊まり込んでいた友引高校で目を覚ます。
隣りに寝ていたラムも目覚め、
終太郎やメガネ達と、ずっと一緒に楽しく過ごす夢を見ていたと語る。
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