アニメーション制作 スタジオぴえろ→ディーン
製作 キティ・フィルム・フジテレビ
放送局 フジテレビ
放送期間 1981年10月14日 − 1986年3月19日
話数 195回 + スペシャル、全218話
『うる星やつら』を原作として製作されたTVシリーズは
4年半という長期にわたって放送された。
劇場版も6本作られ、TVシリーズ放送終了後は
OVAシリーズも作られた(制作はマジックバス→マッドハウス)。
関連商品化においても成功し、売上は100億円とされた。
TVシリーズや劇場版(劇場版の各項目を参照)及び
OVA作品はビデオ・DVD化されている。
また、レコード化作品も多数あり、LPは7作がオリコンLPチャート
で10位以内にランクインしている。
1981年10月14日から1986年3月19日までキティ・フィルム、
フジテレビ製作(アニメ制作は前半スタジオぴえろ⇒後半107回130話目以降ディーン)
でテレビアニメ化された。
全218話。
放送時間は水曜日19:30 − 20:00(日本時間)。
原作1巻から29巻までの内容がTVアニメ化されている。
序盤は視聴率こそ20%前後と好調だったが、つねに半裸の少女が登場している、
登場人物が下品なことを言うのを子供が真似をする、などの理由で
フジテレビのワースト番組上位の常連で番組企画者はつねに会議室で謝らされていた。
最高視聴率は27.4%(第35/36回ひな祭りランちゃん登場/ランちゃんご招待)。
放送初期は15分2話形式だったが、原作に追いついてしまうため、
第3クールより30分1話形式へとシフトした。
そのため「放送回数」と「話数」が異なっている。
シリーズの前半ではいつ番組が打ち切りになるかわからない状態だったため、
クールの終わりごとにそれらしいエピソードが放映されている。
『第67話君去りし後』
『第77話ラムちゃん主催大忘年会』
『第87話さよならの季節』
『第101話みじめ愛とさすらいの母』
『116話終太郎不幸の朝』
改変期などの特別番組やプロ野球・ヤクルト戦の中継・バレーボールワールドカップ中継のため
放映休止がたびたびあり、後期の1984、85年にその傾向は顕著となった。
その結果、約4年分・全218話の放映に4年5ヶ月を要した。
劇場版2作目の『ビューティフル・ドリーマー』の作成時期には、
主要スタッフが映画作成にまわされ、総集編の回が5回ほどあった。
当初のチーフディレクター(CD)はスタジオぴえろの社員だった押井守。
押井によると、スタジオぴえろは『太陽の子エステバン』と『まいっちんぐマチコ先生』
に主力スタッフが割かれ、制作デスクすらいないという状態で制作が始まった。
放映当初は「原作との違い」などを理由として原作ファンから、
カミソリの入った抗議の手紙、罵詈雑言の録音されたカセットテープが多数寄せられ、
押井の降板話まで浮上した。
しかし、3クール目から体制を立て直し、文芸に制作進行だった伊藤和典を抜擢、
アニメーターに自由にやらせたことから、森山ゆうじや山下将仁、越智一祐といった
メカも描ける当時若手の実力派アニメーターが集まるようになると制作に余裕ができて、
次第に評価は上向いていった。
原作の人気に加えて先鋭的な演出や作画から、アニメファンからも注目されるようになった。
また、若手のアニメーターには西島克彦のように志願して本作に参加した者もいた。
押井の嗜好により、ギャグのネタとして漫画、アニメ、映画、有名人、歴史に残る名言など
をパロディにした回もある。
これらの作品の中には、当時の局上層部から「やりすぎ」「意味がわからない」
と注意をうけた回もあった(「みじめ! 愛とさすらいの母!?」など)。
しかし、他のアニメ同様、オリジナル部分を入れないと原作部分だけでは尺が余るため、
アニメスタッフが考えざるを得なかった。
押井は『ビューティフル・ドリーマー』公開後の1984年3月放映分(第106回)をもってCDを降板した。
当時のアニメ雑誌で「体力的・精神的な限界」と理由を述べ、
同時に所属していたスタジオぴえろからも退社している。
このため、第107回から前半部の主要スタッフの一人である
やまざきかずおが後半の約半分のCDを担当している。
制作会社もそれまで同テレビシリーズのグロス請けをしていたディーンへと変更となり、
半年間はスタジオぴえろと連名でクレジットされている。
これらの結果、テレビシリーズ前半と後半では作風が大きく異なっている。
後半では「原作に忠実にしたい」とやまざきは当初うたったものの、
演出面での押井作品との違いや、作画スタッフなどの交替、原作の人気エピソードのほとんどを消化した、
などのさまざまな要因から、結果的に原作の完結を待たずにアニメの方が1年ほど早く放送を終了する形となった。
最終回も、原作ではその後1巻分を使った壮大な追いかけっこが描かれたが、
テレビでは最終回でなくとも成立する「アマテラス宴会」のエピソードに絡めて、
オールキャラクターが一堂に会し、ドタバタに終わらせる形での終了となる。
原作の最終エピソード「ボーイミーツガール」はその後、
1988年に劇場版『うる星やつら 完結篇』として製作・上映された。
1987年5月にはキティレコードが予約限定発売で全話を
レーザーディスク50枚に収録して33万円で発売。
予約のみで限定3000セットが完売、追加した3000セットも完売した。
これが後にDVD−BOXまで繋がるLD−BOXと呼ばれる商品形態の第1号。
LD−BOX発売前には「うる星やつら傑作集」というタイトルで
高橋留美子自選傑作集がLD、VHDで発売されていた。